オーディオとの出会いは我が家にシステムコンポが入ったのが始まり。昭和50年前後のことです。
親父が好きで..って事ではなくて、親戚に電気屋さんがあり、そこから贈られた(経緯は解りません)物です。
プリメインアンプ・チューナー・カセットデッキ・レコードプレーヤー・スピーカーという本格的なものです。
スピーカーは2way,パッシブラジエーター付きのちょっと大きめの物でした。
ステレオ感が..等という代物ではないですが、広がりのある音、スピーカーのある場所とは違うところから
音が聞こえてくると言う面白さから興味を持ちはじめました。が、そうそう使わせても貰えずに居ました。
当時、FMレコパルと言う雑誌を見つけ毎号買い、ステレオのことを少しづつ勉強しました。
その後、お小遣いはステレオ誌代とカセットテープ代に消えていきました。
FMから音楽をカセットに録音して楽しんでいました。(このころは歌謡曲がほとんどでした)
そして、中学生時代のある晩、N*K(TV)でジャズフェスティバルの放映を見ました。
この時に出ていたのが、ライオネル・ハンプトン楽団。
ステージ中央で驚くほど早く、正確にビブラフォンを叩くハンプトン。その演奏もさることながら実に楽しそう。
独特のスキャット(?)を交えながらの神業的な演奏に見入ってしまいました。
これをFM放送で聞いただけだったら聞き流していたかもしれない。その意味でTVは素晴らしいと思います。
また、この時の奏者がハンプトンじゃなかったら、JAZZとの出会いも違ったものになっていた(無かった)
と思います。大袈裟なようですが、それほど僕にとっては衝撃的でした。
高校生になるころにはステレオサウンド誌が僕の宝物になっていきました。HiFiステレオガイド誌も買い、
スピーカーのユニットを選び、その音を空想しながらエンクロジャーの設計に余念がありませんでした。
が、なにぶんにも小さなオーディオショップが1件あるだけの田舎ですので、海外有名メーカーの製品にはお目
にかかることはありませんでした。でも、この店のおかげでステレオサウンド誌のインプレッションなどで読む
メーカーごとの音の違い、傾向などの記事の意味合いが解ってきました。
カセットテープにメタルテープが登場したのもこの頃でした。
ようやく手の届く値段になってきたソニーのTC−K55と言うカセットデッキを購入し、いろんなテープを試
しましたがイマイチ満足できるものが無く(46分テープで1350円程の高額で、値段につり合わない)、
結局マクセルのXL1というノーマルテープがデッキとの相性も良かったし、その後はこれしか使っていません
そして、CDが登場します。これは最悪でした。
初めて聞いたCDの音はやたらに高音がキンキンとうるさく、逆に低音は痩せてしまって、10分も聞いている
と頭が痛くなりました。 こんな物は消えていくだろうと思っていたら、逆にどんどんと勢力を拡げ、ついには
レコードが消えてしまいました。と同じくしてオーディオ熱も下がり、離れてしまいました。
当時は大学生で、オーディオメーカーに入ろうと思い電気工学の大学に通っていましたが、そちらの熱も下がり
何となく通っている状態。そうこうしていたら家のあとをつぐことになりました。
大学時代に友人から譲り受けたアンプ(デンオンPMA−850/2)とスピーカー(オプトニカL7/R7)
を自宅へ持ち帰り、夜ちょこっと聞いたりTVの音声を流したりしていました。
特にオーディオへの熱は上がらなかったですが、ステレオサウンド誌だけは惰性で買っていました。
数年経って音楽(ジャズ以外)を聞こうにもCDしか出て来ないために、やむを得ずCDプレーヤーを買うこと
にしました。と言うのも、友人の家でCDを聞いたとき、昔の嫌な物ではなくまともな音で鳴っているのを見て
買ってもいいかな?と考えたからです。
オーディオ店を周り色々聞きましたがイマイチ気に入るものが無く、たまたま中古屋で聞いたマランツCD64
が良い感じだったので決めました。
それから数年経ち、知人が家を作るにあたりオーディオルームを作りたいという事で話があり、あれやこれやと
やっているうちに 虫が疼きはじめたようです。
もう一人、喫茶店で知りあったオーディオマニアの部屋でJBLのハーツフィールドを聞いたのも要因の1つです。
極々小さな音で鳴らしたハーツフィールドなのに、家のステレオでガンガン鳴らしても同じような音像が得られ
ません。ましてや音が悪すぎる。
かくして、オーディオ虫の大暴走が始まりました。
まずは、スピーカーをJBLの4312Aに換えました。(上位機種へステップアップする予定で、JBLのス
ピーカーになれるのが主な目的です)音はクリヤーになり、ポップス系を聞くにはそんなに問題なく鳴りました。
しかし、JAZZを聞くには全く物足りない。
しかも、ちょっとセッティングを変えると音ががらっと変わります。聞く場所を変えるだけで音像が崩れます。
僕の夢のオーディオのスピーカーは4350だったのですが、とてもじゃないけどJBLを使いこなす自信は
無くなりました。
スピーカーと同時にレコードプレーヤーをヤマハのGT2000に換えました。(コッチは永久に使い続ける予定)
アンプは先述のオーディオマニアからLUX KITのA3500を分けていただきプリメインアンプのプリ部
から繋ぎました。若干暖かみのある音になり少しは良い方向へ行ったように思います。
もう一人の友人から「使ってみるか?」と、オーディオアルケミーのDLCと言うプリアンプ(?)をいただき
ました。古い真空管のパワーアンプに最新のエレクトロニクスの結晶とも言えるオーディオアルケミー、はたし
てどんな音になるやら...と、意外にも奇麗な音。超高域まですぅっと伸びた音で、部屋の天井が抜けてしま
った様なさわやかな感じです。フュージョン系の音楽は気持ち良く聞けましたが、古いJAZZは相変わらず鳴
ってくれませんでした。
この頃にCDプレーヤーをフィリップスのLHH500(中古)に換えました。
このCDプレーヤーに出会って、CDの可能性を感じ、CDを買い集めるようになりました。
大須のオーディオ店でA3500のペアとなるプリアンプA3300を見つけました。
早速持ち帰ってつなげてみると、音域は狭いですが雰囲気のある音になりました。が、JAZZの道はまだまだ
遠いです。
道路の拡張により家の建て替えを余儀なくされました。
そのついでにオーディオルームを計画。部屋は10畳の広さしか都合がつかなかったので、天井高をいっぱいま
で上げる事に。床はスピーカーの下になる部分はコンクリートを床の高さまで打つ。左右に柱の出っ張りがある
ので、柱からスピーカーの裏の壁までの間は吸音ボックスにする。壁・床・天井は防音の下地を入れて、夜でも
大きな音で楽しめるようにする。窓も防音サッシにして開口部も小さめに(換気が出来ればよい)する。
等々、図面をひき工務店さんへ渡しておきました。
が、吸音ボックスは無くなり、天井も予定より30cm程低く、壁天井に防音材は入ったものの、下地が軽量鉄
骨では意味がない。揚げ句に床も全面フロアー貼りにしようとしていたので、慌ててコンクリートを打ってもら
いました。取引先の工務店じゃなかったら、工事のやり直しをさせたいぐらいです。
さらに、自分のミスで吸音効果のある壁の下地材の上にビニールクロスを貼ってしまいました。(泣)
かくして、不満いっぱいのオーディオルームが出来上がり。中に入って手を叩くと、メッチャ音が響きます。
吸音のために床に絨毯を敷き、スピーカーの正面の壁にカーテンレールを付け、カーテンで吸音を狙います。
左右の壁もフラッターエコーが出ているので、床下に入れる断熱材(グラスウールの硬めのもの)に黒いネット
を巻き、左右の壁で互い違いになるように貼り付けました。
オーディオ装置を入れて鳴らしてみましたが、どうにもモヤモヤした音で高域にもキンキンと響くところがあり
吸音材をあっちに置き、こっちに置き、カーテンを開けたり締めたり、厚手のものにしたり、スピーカーの横の
壁にもカーテンを釣ってみたり...試行錯誤が始まりました。
スピーカーの上の天井としたのコンクリートでかなりひどいフラッターエコーがありました。
そこで、天井のクロスの上に吸音効果のある天井板を貼ることにしました。これが大当たり。高音のキンキンは
これが原因だったようです。
ついでにスピーカーの後ろの壁にもインシュレーションボードを置いてみるとモヤモヤが少し取れる気がします。
そこでこの壁一面にインシュレーションボードを貼ることにしました。コーナーにはベニヤ板に穴を開けて作っ
た穴空きボードを斜めに取り付け、裏にはグラスウールを入れて低音のブーミングを減らす効果を狙います。
全体に吸音ばかりで響きが無くなってきました。そこで左右の壁に貼った吸音材も間隔を広くして数を減らしま
した。それから、乱反射を狙って半割りの丸太を、スピーカーの後ろには密に、離れるにしたがって間隔を広く
入れました。 スピーカーの横のカーテンを外し、スピーカー正面の壁のカーテンも開けて束ねておくことで
ブーミングを減らす効果を狙います。なかなか良くなってきました。
ラックは金属製のものは使いたくなかったし、変な響きが出ると嫌なのでケヤキの木のブロックと天然御影石で
作りました。御影石は1000×500×60の大きさで6面全部磨きます。これを2枚。石材屋さんに勤めて
いる友人に発注したところ、なんと無料で提供してくれました。ありがとう、○○君。
ようやく装置の方に手を入れることにします。
どうしてもスピーカーが気に入らなかったので探しに出掛けました。
新製品としてJBL S3100とダイアトーン DS8000が出たころです。
大須の某オーディオ専門店で試聴しましたが、DS8000は期待に添えなかった。そこに有ったALTECの
Model19というスピーカーを聞いたところ、コレダッ! 1発で決定!
これはA7のホーンを箱に入れ、ALTECが家庭向けに作った物です。
後日、トラックで引き取りに行きました。が、何しろデカイ、重い。やっとの思いで部屋に入れ、鳴らしました。
これは良い。特にトランペットの鳴りが良いです。それにさすがはVoice of the Theater
と言われるだけあって、ボーカルも抜群です。でも、部屋のせいかアンプのせいか、はたまたスピーカーのセッ
ティングのせいかこじんまりとした音像と定位しない音。スピーカーのセッティングをあれこれと試します。
またも大須のオーディオ店を徘徊(笑)していると、あこがれの名機Mcintosh MC275発見!
C22は無かったもののC29が出ていました。年代的にも近いのでそんなに悪くないと思いペアで購入。
ALTECとも相性ばっちりで、古いJAZZが凄く良い。セッティングが決まると、ボーカルがそこに居るか
のように聞こえます。大満足で毎晩聞いていました。
そうこうしているうちに魔の低音が気になり始めたのです。ベースの音がブヨンブヨンと広がり実に聞きにくい
気になり始めると、そこばかりが目立つように思えて全体的に嫌になってくる。
アチコチのオーディオショップで質問してみる。床が響くのだからうちのスピーカーベースを使ったら?とか、
スピーカーの後ろの壁が悪いとか、揚げ句に「MC275のコンデンサーが古くなっているからオーバーホール
したら?」とか言われました。
スピーカーを持ち上げてみたり、逆にエンクロジャーが響かないようにスピーカーの上に重り(御影石の板)を
置いてみたり、吸音ボックスを作って部屋の隅に置いてみたり、自分なりにも検討します。
OTAIと言うショップがあるのは前から知っていましたが、いつも名古屋方面へ行く道から外れているので
なかなか寄る機会もなかったのですが、寄って意見を聞いてみました。返ってきた返事は「電源のノイズが原因
では?うちの電源を使って見ては?」というもの。それまでの色々な店でのセールストークを聞いた後だったし、
電源でそんなに音が変わる訳が無い!と聞き流しにしていました。
たまたまそこにA7用に作った特注のスピーカーベース(中古)があり、それを購入してみました。
低音の締まりには効果がありましたが、まだまだです。もう1度OTAIへ行き、アドバイスを求めるとスピー
カーケーブルを換えてみたら?とオーディオクエストのケーブルを薦められました。で、試してみると確かに
少し効果があります。次にピンコードを交換しました。少しずつ良くなっていきました。
徳島のショップにてC22を購入。プリとパワーの相性が悪いのかと思い、C29と入れ替えれば良くなるので
は?と期待をしましたが全体の音の厚みが増したものの膨らむ感じは変わりませんでした。
オークションにて名古屋の人がA7Xを売っているのを発見! Model19とほとんど同じ年代のもので
ドライバーもタンジェリンに変わった時のものです。19の箱鳴りも疑っていましたし、換えてみることに。
スケール感が増しました。19は無理やり箱詰めにした分、音も箱詰め的な感じになっていたのかもしれません。
ドライバー自体も違うし、中高域の迫力が大きく変わりました。管楽器がつやつやとしていて、それでいてギラ
つかない。ドラムの音も「ドン」から「タム」と言う感じになってきました。ただ、ベースが霧の中に沈んでし
まう様なふやけた感じは無くなりません。
この間2年ほど経っているでしょうか。
この3年のうちに、パワーアンプのMC7270を手に入れC29との組合せがメインになり、その後MC22
55に変更しています。
改めてOTAIにて相談してみました。
丁度、OTAI特製のクリーン電源(HP−3000)が製造所より何台か入荷したところで、「試しに持って
行って鳴らしてみたら?」と言うことでお借りしました。
帰宅して早速使ってみると..愕然としました。こんなことがあって良いのか?
今まで何年も、何をやっていたんだろう。後悔の念と、OTAIの井上さんのアドバイスを素直に受け入れなか
った申し訳なさとで、自分が恥ずかしくなりました。
低音の悩みは一気に解消です。電源だけでこれほどの音質改善効果があるとは思いませんでした。確かにクリー
ン電源は多数のメーカーで販売していますし、雑誌のインプレッションでも効果アリという情報は得ています。
改めて電源の重要性を認識しました。
この後、OTAIの井上さんに無理を言って、6個あるコンセントのうち4個を117Vが取り出せるように
改造していただきました。(もちろん購入させていただきました)
手持ちのMcintosh製品は全て平行輸入物(?)で117V仕様です。ですが正規輸入品を100Vで鳴
らすよりも平行品を117Vで鳴らしたほうが音の厚みが違います。
MC2255の正規輸入品と並行輸入品を各1台使い、モノラル使いで左右に使ったことがあります。
正規輸入品の方が迫力不足でバランスが取れませんでした。
CDプレーヤーはLHH500からワンクッションおいてマランツのCD7になりました。
井上さんが格安にしてくれたので。(笑)
レコードの方が音場感があるような気がしますが、再生が楽なのでCDを聞くことが増えました。CD7ならば
かなりのレベルで満足のいく音楽を聴かせてくれますので、文句はありません。逆に、ポップスのCD等の変に
イコライジングした物は聞いているだけで目まいがして聞いていられません。
デジタル装置の電源は別のトランスから取ったほうが良いというアドバイスをいただき、壁コンセントから小さ
なトランスを介して入れています。
理想は1つの装置に1つのクリーン電源トランス。でも、そんな予算はなかなかありません。
現在、OTAIではCSEへ依頼し、T−200電源トランスに更なる音質向上を図った商品を作っています。
詳細はこちらをご覧下さい。これならばそれほど現実離れした金額にならずに電源を分けられます。
(前述のHP−3000は現在は生産していないということでした。)
スピーカーに関してはスーパーツイーターを追加し、最高域の再生を狙いましたがこれが大誤算。
鳴っているのか解らないぐらいにレベルを下げて鳴らしているのですが、高域よりも低域に効果あり。(笑)
実に良い感じです。ドラムの音がスティックで叩いた音が聞こえます。ハイハットを叩くとスティックが当った
音とその後にジャーンとハイハットが響いていくところまで解ります。凄い嬉しい誤算でした。
こういうことがあるからオーディオはやめられないんだよねぇ...
JBLは扱いにくくて厄介、ALTECは据えて繋げば良い音が...
というような書き方をしましたが、あくまで僕の主観です。その他の製品に対するインプレッションもそうです。
ですから、人によって感じ方も違いますので、色々試されることをお薦めします。
ただ、ALTECに関しましては本当に簡単に素晴らしい音が得られました。たまたま部屋に合ったのかもしれ
ませんが、A7のような劇場用スピーカーが、わずか10畳の部屋でこれほどの音を聞かせてくれるとは思いも
しませんでした。しかもセッティングを追い込んでいくとそれに答えてくれますし、鳴っている音の傾向も自分
の好みのものに鳴ってきたような気がします。
それから、これも僕の主観なのですが、新しいオーディオ製品の音は凄く奇麗です。超低音から超高音まで奇麗
に伸びて、素晴らしいと思います。ですが、僕の求める音じゃない。
なんだか音の厚みが薄い。エネルギー感が伝わらない。あのMcintoshですらそう思います。
僕の求めるのは身体が震えるほどのエネルギー感。定位よりも楽器の生々しい音。管楽器の金属臭さ。ドラムの
アタック音。バスドラムの穴から押し出された空気が伝わってくるような雰囲気。ピアノの弦をハンマーが叩く
様、ベースをはじく指の動き、ボーカルの息遣い...
とにかく、その演奏者がこの部屋にいて、ここで演奏を繰り広げてくれる。そんな音を求めています。
残念ながらその域まではまだまだ遠い道程です。
この僕の理想の音は最新のオーディオ機器では出ないと思いました。現在使っている機種は全て20年以上前の
古い物ばかりです。でもこれらは、オーディオ黄金期の最高の製品です。悪いわけがありませんよね。
僕の好きな音を出す製品が中古で安く買える。最高にありがたいです。
最近は忙しくてゆっくり音楽を楽しむ時間がありません。
時間があるときは問題が出来てじっくり聞くことが出来ない。
非常に皮肉なもんです。
たぶん時間が出来たらスピーカーをA5に換えようとして、またバタバタするんだろうなぁ。(笑)